管理職になると、部下の指導も仕事のひとつ。
しかし、部下が思うように動かない・・・と悩んでいる人は少なくありません。
そこで今回、部下指導に苦労されている上司に向けて、部下指導で役に立つ12のポイントを紹介します。
スポンサーリンク
部下を育てるための12のポイント
世代も違う部下に、自分の理念だけを押し付けないようにしながら、かつ、思い通りに動いてもらうためのポイントをご紹介します。
気分よく仕事をしてもらう環境を整える
職場の環境づくりも上司であるあなたの仕事です。
みんなが気持ちよく働けるように、自分から挨拶をする、「最近よくがんばっているね」と声かけをするなど、上司と部下との距離を縮める工夫をしましょう。
よく声をかけてくれる上司ほど、心を開きやすい存在はいません。
そんなことでいいの?と思うかもしれませんが、気持ちのよい職場作りはモチベーションを高めるために必要なことです。
実際、憎たらしい部下もいますが、そんな部下こそ、こちらから明るく挨拶をするよう気をつけています。
期待していることを伝える
上司から「期待しているよ」と声をかけられれば、それに応えたいと思うのが人情です。
期待されているということは、自分を高く評価してくれているということですから、そのような人の期待は裏切れません。
「君なら必ずできるはずだ」と、上司が期待していることを頻繁に伝えましょう。
その際、部下の長所もさりげなく言葉に含ませると、部下のやる気が向上します。
たとえば、営業の仕事なら、「君のコミュニケーション力は群を抜いているからね。君なら絶対できるはずだよ」という感じです。
サブリミナル効果も期待できます。
サブリミナル効果とは、一種の暗示のようなもので、何度も同じ言葉を言われ続けると、本当にそうなると無意識に思い込んでしまう効果のことをいいます。
これはマーケティングの世界でも、各メディアが活用している本当に効果のあるやり方です。
「君ならできる」と上司に何度も言われ続けることで、本当にできるかもしれないと部下が挑戦意欲を持ってくれるようになります。
でも、中には叱られて伸びる部下もいるので、私はそういうのは苦手でした・・・。
目指すゴールを明確に伝える
自分のチーム(あるいは部署)がどのようなことを目標にがんばればいいのか、それを全員で共有します。
「がんばれ!」と発破をかけるだけではダメ。
今期はこのくらいの売上を達成したい、このくらいの顧客を獲得したいなど、数値に表せるものはそれも具体的に伝えます。
その上で一人一人が何をしていけばいいのかという個人の目標に落とし込んでいけば、自分が何をすべきなのかを明確にすることが出来ます。
計画をチームで作成する
チームの目指すべきゴールが明確になったら、次は、そのゴールに至るまでの計画作成です。
この計画作成のポイントは、上司が一人で作るのではなく、チームみんなで作ることです。
チームの人数が多い場合、計画作成の前に、改善案や改革案を募集し、計画の中に取り入れます。
このことにより、部下に与えられる計画は、与えられた計画ではなく、自分たちで作り上げた計画に変わります。
計画作りから携わっているという参加意識は、計画を進めていく上でも大切です。
上司から一方的に与えられた目標、計画よりではモチベーションは上がりません。
いかに受け身にさせないか、参加意識を作っていくかがポイントです。
計画に対しての進捗状況をこまめに報告させる
計画に対しての進捗をこまめに報告することは、部下にとってはめんどくさい業務かもしれません。
しかし、進捗状況をこまめに報告しないといけないというプレッシャーが、未熟なために自己管理ができない部下には必要です。
放置していては、部下は楽な方に流れてしまいます。
できれば1週間に1回は進捗を報告させ、褒めたり叱ったり、厳しく指導したりすることが大切です。
でも、これを始めてから、部下の数値意識が向上しましたよ!
仕事の成果を的確に分析させる
仕事は「がんばってます!」という姿勢だけではダメで、やはり結果ありき。
学校と会社の大きな違い、結果を出してこその仕事です。
ですから、仕事の成果についてはしっかり分析できないといけません。
何が出来ていて、何が出来なかったのか、どこを改善すれば良いのか。
それをまず自分で分析させて、改善策を考えさせます。
その上で、必要に応じて上司であるあなたがアドバイスをし、失敗を次に活かせるように導いていくことが大切です。
意見を言いやすい環境を作る
部下の意見がどんなに滑稽でおかしなものだったとしても、それを頭ごなしに否定してはいけません。
むしろ、どんな意見でも出せるような風通しの良い環境づくりは上司であるあなたの仕事です。
普段から何でも言い合える関係性を作っておけば、重大なミスも防ぐことが出来ますし、思わぬヒット商品を作るきっかけが出来るかもしれません。
下っ端でも意見を聞いてもらえると思える環境は部下のやる気を引き出し、チーム全体の士気を高めます。
自由と節度、このバランスが大切です!
指導係を作る
かといって、何でもかんでも上司であるあなたに相談されては困ることも出てくるでしょう。
管理職としては小さな相談ばかり聞いている暇はありません。
そんな時は中堅社員を指導係としておけばよいのです。
指導係になった者は、将来管理職になった時の勉強にもなりますし、部下としても相談しやすい先輩がいれば「誰にも相談できない・・・」などと悩んで仕事が滞ることもなくなります。
逆に、指導係に任命する
あえて指導係に任命するのも、部下を育てる方法の一つです。
「人に教えることが、自分にとっての1番の勉強」と言います。
人に教えるには、それなりの勉強をしないといけませんし、暗記ではなく理解しないと教えることはできません。
部下に苦手分野があるなら、あえてその指導係に任命し、基礎からしっかり勉強させるのも手です。
最初は部下から抵抗があるでしょうが、敢えて部下にそういう苦労をさせることもいいですよ。
苦労した分だけ成長します。
できなくても、励まし、見守る。部下との根競べです。
仕事のやり方、考え方を指導する
仕事そのものではなく、ビジネスマンとしての基本的な考え方、仕事のやり方を教えることも大切です。
できれば、日常業務の中で、具体的に指導しましょう。
たとえば、1流と言われるプロとアマチュアの違い、PDCAと言われる「計画→実行→チェック→改善」のサイクルをまわすことなど、仕事の基本を指導します。
部下の中には、同じ失敗を繰り返す者も多いと思います。
そのような部下には、失敗をしてしまう原因分析と対策を立てることを教えます。
そのモチベーションもない場合、仕事の意味や意義から指導していきましょう。
実際、私の話では動かなかった部下も、講演会で影響を受けて、動きが改善した事例があります。
部下について情報を把握しておく
指導する部下について、仕事以外のことも把握しておきましょう。
家族構成や趣味、誕生日、得意なことや苦手なこと、好きなことや嫌いなことなど色々あります。
仕事以外の話をすることでコミュニケーションも深まりますし、仕事上では見えなかった部下の長所が見えるかもしれません。
部下が家庭でうまくいっていなかったり、心配事があると、やはり仕事にも影響が出てきます。
上司は仕事の面だけでなく、人間的に部下を見守りましょう。
人間関係を築く上で、相手のことを良く知るということはとても大事なことです。
ドライな割り切った関係では、部下の心は動かないですね!
挨拶に相手の名前を入れる
朝、会社で挨拶をする時に「おはよう」だけではなく、「〇○さん、おはよう」と部下の名前を一緒に呼んであげましょう。
人は自分の名前を何度も呼ばれることで、相手に親しみを感じます。
ちょっとした工夫ですが、積み重ねていくことで、部下との人間関係が円滑になり、部下育成がやり易くなります。
毎朝、名前を呼ばれると、本当に親近感が湧きますよ!
スポンサーリンク
部下を指導する際の上司の心得
部下を信頼すること、そこがスタート
指導が下手な人は、自分がやった方が早いなど、部下の能力を信頼していないところがあります。
そんな気持ちで指導されても、部下だってやる気なんて出ませんし、そのような人の指示に従いたくはありません。
人のやることに「絶対」はないのです。
どんなに気をつけてもミスをすることだってあります。
部下は失敗するもの。
そんな風におおらかな気持ちで、部下を全面的に信頼して仕事を任せてください。
不思議なもので、「失敗するな!」というよりも「失敗してもいいから思いっきりやれ!」と言った方がミスが少なくなります。
仕事ができないのは当たり前だと思うこと
部下はあなたとは違うのです。
まずそれを理解しましょう。
とはいっても、「自分と他人は違う生き物」ということをしっかり理解できていない人は意外と多いのです。
あなたの常識が他人の常識ではなく、あなたが出来ることを他人も出来ると思ってはいけません。
人それぞれ、キャパシティが違うのです。
「こんなこともできないのか」なんて言葉は言語道断です。
叱っているだけの上司には、いずれ誰もついてこなくなります。
何も指導せずに言ったことをすべてこなせる部下なんていないのだということをまず理解しましょう。
部下を育てることは上司であるあなたの仕事ですから、数回言ったくらいで仕事がバリバリ出来るようになる部下なんていないと割り切って、時間をかけて指導していくことが必要です。
まとめ
指導の方法はひとつではありません。
当たり前ですが、部下が変われば指導方法も変わります。
その時々に応じてどう指導していけば良いのかということを考えながら、部下の能力を引き出す指導が求められます。
「部下が使えない・・・」と嘆く前に、指導方法のパターンをいくつも考えてみましょう。
部下の指導は子育てと似ています。
怒るだけではなく、時にはじっと見守ることも大切ですし、必要に応じてこちらから助け舟を出して上げることも必要。
部下が育てばそれはあなたの評価につながるのですから、根気よく取り組んでいきましょう。
こちらの記事も合わせてどうぞ ↓
【部下指導の悩み】現役社長が現場で悩んだことと、その解決法!