部下を持つ年齢になると、自分が直接仕事をするよりも部下の指導や人材育成といったことに頭を悩ませる人が多くなりますね。
部下の指導は管理職としての仕事のひとつですから避けては通れません。
時間がかかっても指導をしていかなくてはいけないのです。
悩みはつきないものですが、私もいち経営者として、今まで現場でさんざん悩みました。
今回は、部下指導で悩んでいる方に向けて、私が現場で悩んだことと、その解決法を紹介します。
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部下がマネジメント業務を嫌がる
部下の中でも、とりわけ優秀な部下にはその部署のマネジメントをまかせたいものです。
その部下のさらなる成長も期待して、マネジメント業務をまかせたいのですが、そのマネジメント業務を嫌がる部下もいます。
小さな成功体験を積ませる
その部下は自信がないのかもしれません。
特にマネジメントをしたことがない部下は、何をしていいのか分からず、不安になっているのでしょう。
そのような部下には、小さな成功体験を積ませることです。
まずはその部署全体ではなく、少ない人数のグループリーダーに任命し、リーダー役をしてもらいましょう。
うまくできたら褒め、次にもう少しハードルの高いマネジメントを経験させる、このようにして一歩一歩、部下のマネジメントスキルと経験値を上げていきましょう。
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女性部下の扱いが苦手
男性上司の悩みで特に多いものが、この女性部下の扱い方です。
女性を男性と同じように扱ってしまっては、トラブルのもとになります。
女性部下をうまくマネジメントできないため、業績が伸び悩んでいる男性上司も多くいます。
女性の特性を知ろう
経営の神様といわれる松下幸之助氏の言葉に、「羊飼いは羊の特質を知らなければいけない」というものあります。
相手がどういうことを好み、逆に、どういうことを嫌がる生き物なのか、これを知らずに相手と関わっていてはうまく人間関係が築けません。
男女の性差を理解し、それをマネジメントに取り入れましょう。
女性の部下の特質・扱い方
◆ 女性の話を聴く(解決策が欲しいのではなく、聞いてほしい)
◆ 1回の大きな賞賛より、毎日少しずつ褒めてほしい
◆ 女性は公平を好む(みんな一緒が心地いい)
◆ 強引さも必要(男性に引っ張ってほしい)
◆ 論理より感情、感覚を優先(生理的に無理といわれないようにする)
◆ 清潔感、さわやかさは必須
部下のモチベーションを上げる方法が分からない
部下のモチベーションを上げる方法が分からず、苦労している上司は多いものです。
6名程度の少人数の部署なら、一人一人に目をかけ、褒めたり叱ったりすることでモチベーションを上げることができますが、難しいのは上司1人で何十人もの部下をマネジメントしなければいけない状況です。
当然、個人ごとに接する時間や機会は多くはありません。
このような状況で、どう部下のモチベーションを上げていけばいいのでしょうか?
モチベーションを上げる2つの方法
モチベーションには、外発的なものと、内発的なものがあります。
これら2つの動機づけをうまく組み合わせてマネジメントしましょう。
まず、外発的なモチベーションとして、インセンティブ(臨時報酬)があります。
通常の給与以外に、ここまでできたら手当を出すという目標をつくります。
これは、実施するときにはモチベーションが高まりますが、しない時には下がるという側面もあるため、タイミングをみて実施する必要があります。
また、内発的なモチベーションとして、個人目標を持たせるという方法があります。
できれば、目標値の設定だけでも、部下と一緒に面談して決めることをおススメします。
また、目標には最低ラインと最終ラインの2つの目標値を設定しましょう。
何が何でもここまではやること、という最低ラインをつくり、そこまで達成できない部下には個人面談を実施します。
こうすることで目標に取り組む部下のモチベーションが変わります。
コミュニケーションがうまく取れない
会社には世代もそれまでのバックグラウンドも全く違う人たちが集まっています。
そのため、年齢の離れた部下と共通の話題がない、話が合わないという悩みは少なくありません。
普段からの関係性作りが大事
部下とのコミュニケーションが苦手という上司は、普段、その部下と雑談をしていないことはありませんか。
プライベートな話をすることを嫌う部下もいますが、何も生活に関する話でなくてもいいのです。
ちょっとしたことでも構わないので、気軽に話しかけて、コツコツと関係性を作っていきましょう。
普段からの人間関係作りが大切なポイントです。
相手に話を合わせようとか、変に意識するとうまくコミュニケーションが取れないので、気にせず自分から積極的に話しかけましょう。
違うからこそ、興味のわく話だってきっとあるはずです。
年上の部下には指導しづらい
最近では部下が年下だとは限らなくなってきました。
場合によっては自分よりもずっと年上の部下がいて、とても指導しづらいという場合があります。
年上の部下こそコミュニケーションが大事
年上の部下に対しては、より普段の会話が大事になってきます。
仕事を離れたところでは、人生の先輩として色々話を聞いてもらったり、頼ったりすることで、徐々に信頼関係が出来ていくでしょう。
人間、プライドがありますから年下に指導されてうれしい人はいません。
だからこそ、言葉を選んで、「~してください」ではなく「~をお願いします」というふうに依頼形で指示していきましょう。
ただ、年上部下が年下上司をなめるような態度を取ってきたときは、厳しく指導すべきです。
周囲は、その状況で上司がどういう態度をとるのか見ています。
職場の規律が緩まないよう、律すべきところは律していきましょう。
言われたことしかやらない
こうして欲しいという気持ちで仕事を頼んでも、思った通りにはやってくれない、言葉通りにしか受け止めていない、という悩みも多いですね。
「指導が出来ていない」自分に落ち込むこともあるでしょう。
自主的な取り組みなど、積極性に欠ける場合もどのように指導したらよいのか悩んでいる人が多いようです。
理解したことを確認する
指示を出した時に「はい」と言ったからといって、部下があなたの言ったことを100%理解で来ているとは限りません。
理解できていないまま仕事を進めるので、「言った通りに仕事ができない」となるのです。
しかも、部下は「わかったつもり」か「分かっていないことすら分かっていない」ことがあるため、ミスを繰り返す部下には、指示を出す時に「今言ったことを私に説明してみて」と、自分の口で説明させてみましょう。
そうすると、あなたの言ったことが理解出来ているかどうかが分かります。
出来ていないなら、教え方も変えないといけないでしょう。
褒め方、叱り方が難しい
褒めて伸びるタイプなのか、厳しく指導した方がいいのか。
もしくは、自分は褒めたつもりでも相手はそう受け取っていなかったり、叱ったつもりはないのに叱られていると受け止められたり。
部下をどう伸ばしていくかということにも関わるので、難しいポイントです。
褒め方、叱り方
日本人は人を褒めるのが苦手な人が多いですが、褒められてイヤな気持ちがする人は少ないものの、的外れな褒め方をすると「?」と思われてしまいます。
そこで、褒めるというよりは、感謝の気持ちを伝えるといいでしょう。
「この資料、とても分かりやすかった。ありがとう。」
また、叱る時に気をつけたいのは、叱るのと怒るのは違うということです。
叱るのは、事実だけを指摘して、それに対して改善を促すことです。
怒るというのは感情で物を言っているので、責められているようにしか感じられないのです。
その他、叱る時には押さえておきたい5つのポイントもあります。
叱る時のポイント
◆ 時間をおかないこと
◆ 人前で叱らないこと
◆ 事実のみを指摘し、主観を挟まないこと
◆ ただし、「こうして欲しい」という自分の思いは伝えること
◆ 具体的な改善策を示すこと
例えば遅刻がちな部下に対しては、出社したタイミングで呼び、「今日は5分の遅刻だね」と事実を指摘します。
これは相手も認めざるを得ないはずです。
「連絡もないから何かあったのかと心配したよ」と自分の思いを伝え、「明日は15分家を早く出てみようか」「何かあって間に合わない時には必ず連絡を入れること」を伝えます。
そもそも人は分かり合えないのだというところからスタートする
部下の指導をうまくするには、何においてもコミュニケーションが大事です。
「こういう時はこうするべき」
「こう指示したのだから当然こうなるべき」
というように、自分の思い込みで仕事の指示を出したり、指導をしているとうまくいきません。
あなたと部下の価値観は違うからです。
自分の考えは伝わらなくて当たり前、くらいに思った方が良くて、だからこそ、伝えるための努力、相手の価値観を理解して、それに寄り添って指導する姿勢が必要です。
結局は人と人との問題なので、意志の疎通さえうまく出来るようになれば、指導もうまくいくようになります。
まとめ
生身の人間対人間なので、なかなかうまくいかないことも多いですが、大事なのは相手に好意や敬意を持って接すること、部下を大事な財産として扱うことです。
指導することは部下も自分も成長させる良い機会ですから、自分なりの指導法というものを確立させていきたいですね。
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