プライドが高い割には肝心の仕事の能力は低く、どうにも扱いづらい部下というのがいます。
怒っても素直に言うことを聞かないし、周りに迷惑をかけるし、上司としてどのように指導すればいいのか頭を痛めている人も少なくないでしょう。
このような部下はどの組織にも一定数いるものです。
ですから、ただ頭ごなしに怒ってもあなたが疲れるだけです。
プライドは高いのに仕事ができない部下に対してどのように接すればいいのか、そのヒントについてまとめました。
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プライドの高さは自信のなさの現れ
プライドが高くて仕事ができない部下には次のような特徴があります。
◆ 自分からは謝らない
◆ 自分の非を認めない
◆ 素直に他人の意見を聞かない
◆ 人に責任をなすり付ける
◆ いいわけばかりする
これらはほとんどが自己肯定感の低さ、自信のなさ、心の弱さの現れなのです。
己の弱さを隠すために、プライドの使い方を間違えてしまっているだけです。
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プライドが高くて仕事ができない部下の扱い方
なぜこんなにプライドばかり高いんだろう、と頭を悩ませるのではなく、どうやったら仕事をうまく回していけるか、そこだけを考えましょう。
頭ごなしに叱るのは逆効果
このような人が仕事でミスをした時に、頭ごなしに叱ってはいけません。
その人の能力に関することについてあれこれ言ってしまうと、プライドの高い人は「人格を否定された」と思い、さらにあなたに対してかたくなな態度を取るようになってしまうでしょう。
そんな時は、
◆ 冷静に間違いを指摘する
◆ 事実だけを指摘する
ということを根気強くやっていくしかありません。
その上で、間違いを訂正させるということを繰り返していきましょう。
出来ることだけをやらせる
企画を作るとか1つのプロジェクトを進行させるなどのクリエイティブな仕事は、お互いの意思疎通ができていないと進めることが難しいものです。
途中で何かあっても相談してこないようなプライドの高い部下だと、後で大きなミスが発覚して困ったことにもなりかねません。
ですから、進行管理が分かりやすいような、単純な仕事だけをやらせるというのも一つの方法です。
本人は仕事ができると思っているので不満が出てくるでしょうが仕方ありません。
パワハラだと言われると困るので、なぜその仕事しかまかせてもらえないのか、他の部下と同じように扱ってもらえないのはなぜか説明は必要ですが、能力が低いからまかせられないのだということを分かってもらう必要があります。
測定可能な目標を作る
目標設定が曖昧だと、できた、できていないで言い分が食い違うことになります。
指示が曖昧だと、逆襲されかねません。
ですから、測定可能な数値目標を立て、お互いに確認をします。
もちろん、期限もです。
いつまでにこの仕事をここまでやる、ということをお互い承知した上で仕事を進め、進捗管理もしっかりしていきます。
それで出来ていないところはその都度指摘して、理解してもらう。
この繰り返しによって、何が出来て何が出来ていないかを理解してもらいます。
期待しないで待つ
残念ながら、本人が変わろうとしない限り、他人が人の性格や考え方を変えることは出来ません。
プライドが高くて、人に教えを乞おうとしない姿勢は、他人があれこれ言ってもおそらく変わらないのです。
たいていの人は「こいつは仕事ができない」と思っても、何とか変わって欲しい、仕事が出来るようになって欲しいという思いから、一生懸命指導をします。
しかしその指導は、本人が受け入れない限り、実を結ばないことがほとんどです。
今のままでは一生君が困るんだ、ということを伝えるためにも、期待せずに突き放すというのも時には必要かもしれません。
本人も辛いのかもしれない
プライドが高くて仕事ができない部下も、本当はそのことを自分で分かっている場合もあります。
でも、おそらく自分ではどうしようもないのです。
素直になって謝ることがどうしても出来ないのです。
それは、自己肯定感が低いことも原因の一つです。
自分の価値を外から測れる物差しでしか見ることが出来ないので、仕事の出来と自分の価値を切り離して考えることが出来ません。
仕事ができない=自分はダメな人間だと思ってしまうために、間違いだと分かっていてもそれを認めることが出来ないのです。
ですから、大人になってこのような人が変わるには、自分の価値は自分で決めるのだということを本人が理解する必要があります。
それには時間がかかりますし、上司であるあなたがそこまでする必要があるかというとないかも知れません。
ただ、本人ももしかしたら辛い思いをしているのかもしれないなと思うと、頭ごなしに叱るのではなくて、一つずつ出来ることを増やしていこう、とこちら側の気持ちにも少し余裕を持てるのではないでしょうか。
せっかく縁があって一緒に仕事をすることになった仲間です。
出来ればいい方向に変わって欲しいと思うのが人情ですよね。
レヴィンの変革プロセス
そこで、クルト・レヴィンという心理学者の提唱した「態度変容の3ステップ」を利用してみましょう。
四角い氷を力ずくで丸くしようとすると割れてしまいます。
しかし、1度解凍して水に戻し、それを丸い容器に入れて凍らせれば、丸い氷に難なく変わります。
これがレヴィンのいう変革プロセスです。
人を変えるには、
◆ 解凍(アンフリーズ)
◆ 変化(チェンジ)
◆ 再凍結(リフリーズ)
という3ステップが必要なのですが、上司の立場に立つと、ついつい「変化」から入ろうとしてしまう人が多いのです。
プライドの高い部下に変わって欲しい、と心から願うなら、まず相手の気持ちを溶かすところから始めなくてはいけません。
出来ないことを指摘するよりも、相手との信頼関係を築くことに心血を注ぐ。
理解を示し、共感を表す。
そのような態度が、もしかしたら仕事のできない部下を劇的に変えるかもしれません。
まとめ
部下の指導は上司の仕事のひとつです。
仕事が出来る部下ばかりなら良いのですが、残念ながらそうもいきません。
出来なさ具合もそれぞれだと思うので、困った時は一人で抱え込まずに、さらに上の人に相談するなど違った見方を授けてもらうのもいいでしょう。
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