これからフリーランスになろうとしている人は、フリーランスになったら実際どのくらいの収入になるのか、会社員よりも稼げるようになるのかということが気になると思います。
会社員とフリーランスではお金の入り方も出方も全く違いますから、実際の手取りがどのくらいになるのかということを理解しておきましょう。
そこで今回、フリーランスの手取りはいくらになるのか、初心者でも分かりやすい計算方法を紹介します。
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フリーランスの手取りの計算方法
収入=手取りではありません。
実際に入ってきたお金から税金や保険料などを引いたものが手取りになります。
それは会社員も同じです。
具体的には、次のような計算式で求めることができます。
手取り年収額=年間総収入金額-(所得税+住民税+個人事業税+消費税+国民年金保険料+国民健康保険料+介護保険料)
それぞれどのような形で引かれるのかは、次章から詳しく見ていきましょう。
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フリーランスが払う税金
フリーランスは、基本的には確定申告を行うことによって所得税などの税金を払います。
所得税
所得税は収入から控除や経費を引いて残った金額に税率をかけて計算したものです。
税率は5%~45%まで。
所得が多くなるにつれて税率も上がる累進課税制度になっています。
ただし、この税率は控除などを引いて残った「所得」に対してかけられるものです。
「収入」に対してではありません。
たとえば「所得金額330~695万円」の税率は20%ですが、年収が500万円だったとして、その500万円に対して20%かかるわけではありません。
控除分、必要経費などを差し引いた金額に対して20%かかるので年収に対して税率がかかるのではないということを覚えておきましょう。
ちなみに、所得控除の種類は社会保険料控除、生命保険料控除などがあり、国税庁のHPに載っています。
住民税
住民税は都道府県民税と市町村民税の2種類を払います。
所得割と均等割があり、
- 所得割:課税所得に対して10%
- 均等割:定額
となっています。
こちらは確定申告で申告した所得を元に計算され、6月の下旬頃に自治体から通知が来て支払をします。
個人事業税
フリーランスは個人事業主ですから、法人税のように「個人事業税」というものが課せられます。
これは都道府県に対して支払う税金です。
個人事業税はすべてのフリーランスが支払うわけではありません。
第一~第三事業として、飲食店業、水産業、医業、コンサルタント業など職種が決まっています。
たとえば東京都の例ですと、このような業種が対象になります。
税率は3~5%とそれほど高くはありませんが、青色申告の特別控除は適用されないというところに注意が必要です。
個人事業税は次のような計算式で求めることができます。
個人事業税の税額=(事業所得+青色申告特別控除額ー各種控除額ー事業主控除)×税率
事業主控除はだいたい290万円のところが多いので、所得が290万円を超えたら個人事業税が発生することになりますね。
消費税
消費税は自分で計算することになります。
前々年の売上に対して課税されますので、2年前の売上が1千万円を超えたら消費税を納める義務が生じます。
ですから、フリーランスとして起業してから2年間は基本的に免税されるということになりますね。
ただし、1年目の売上が6月までの半年間で1千万円を超えた場合には2年目から消費税を払うことになりますので注意してください。
各種保険料
これまでは会社が折半してくれていた年金や健康保険についても、全額自分で支払うことになります。
国民年金
フリーランスは国民年金の第1号被保険者となりますので、毎月自分で支払う必要があります。
1ヶ月当たりの保険料は平成30年度価格で16340円ですが、前払いをするとほんの少し割引されるようになっています。
国民年金保険料は、将来65歳になった時に毎月支給される老齢基礎年金の他に、障害基礎年金や遺族基礎年金の元となるものです。
滞納していると何かあった時に受給できなくなる可能性があるので、毎月ちゃんと納めましょう。
ただし、フリーランスで収入が安定しないために支払が難しい時は免除の申請も可能です(却下される場合もあります)。
また、配偶者がいて、配偶者の扶養に入っている場合には第3号被保険者となり、保険料を支払う必要はありません。
国民健康保険
国民健康保険料は個人の収入に応じてではなく、世帯の人数や収入で変わってきます。
また、住んでいる自治体によって計算方法が違っているので、同じ世帯構成であっても居住地によって金額がかなり変わってくるのです。
会社員の厚生年金は個人の所得に対する保険料率ですが、国民健康保険料は世帯所得に対してかかる部分があるので、自分の収入が低くても保険料がかなり高額になる場合があります。
介護保険料
介護保険料は40歳以上の国民はすべて払うことになっています。
ただし、65歳未満の被保険者は国民健康保険に含む形で支払います。
税金を抑えるにはどのくらい経費を計上できるかがカギ
フリーランスになると交通費や住宅費の補助など、これまで会社から出ていたお金が支給されなくなります。
ですから、入ってくるお金のことしか考えずにフリーランスになると、意外に出ていくお金の多さに驚く人が結構います。
- 交通費
- 消耗品費
- 携帯電話代
- 光熱費(家で仕事をしている場合)
- 事務所の家賃
- 交際費
など、仕事に関係するお金であれば経費として計上できるので、これまで以上に細かいお金の管理が必要になってきます。
もちろん、収入との割合、バランスが大事で、収入の8割が経費なんていう申告をしてしまうと税務署もおかしいと思いますよね。
純粋に仕事に関係するお金を計上すれば問題はありません。
細かいお金もしっかり計上して、少しでも課税所得を抑えることが出来れば税額も低くなります。
どのくらい稼げば正社員の収入を超えられるか
フリーランスになって驚くのは、自分で支払うお金の多さ。
会社員の頃は色々と引かれた後の金額しか見ていないので、手取りが20万円くらいならフリーランスの方が稼げる!なんて思ってしまう人がいるのですがそれは大間違い。
これまでは事業主と折半だった年金も保険料もすべて自分で払わないといけませんし、住民税は前年の所得に対してかかるので、今年は収入が落ち込んで・・・という場合でも支払わないといけないのです。
では、どのくらいの収入があれば正社員時代と同じくらいになるか、業種の違いによる必要経費の差などもあるので一概には言えませんが、1.5倍くらいは稼ぐ必要があるでしょう。
会社員なら有給休暇や傷病手当金などの保障もありますが、フリーランスにはそれがありません。
自分が病気をした時のことなども考慮すると、1.5~2倍くらいの収入を目指してください。
まとめ
フリーランスになろうとすると、どうしても「収入」ばかりに目がいきがちです。
でも個人事業主という名の通り、一国一城の主。
入ってくる分だけでなく出ていくお金をしっかり管理しないと、安定した生活は得られません。
ただ、給料が決まっている会社員とは違って、やり方次第で収入を増やせるのはフリーランスのメリットでもあります。
目先の収入に惑わされず、会社員とフリーランス、どちらの生き方が自分にあっているのかをよく考えて、この先の働き方を決めてください。
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