大豆から出来ている納豆は、タンパク質も豊富で身体にいいことは皆さんよくご存知でしょう。
栄養価が高く、毎日でも食べたい食材ですが、近年血圧を下げる食べ物としても注目を浴びているのをご存知でしょうか。
今回は、血圧を下げる食べ物として納豆が良い理由と、その効果的な食べ方について紹介します。
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納豆が血圧を下げるのによい理由
納豆には血圧を下げるために必要な栄養素が豊富に含まれています。
調理の必要もなく、手軽に食べられる食材としては、納豆に勝るものはないでしょう。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼとは納豆菌が作り出す成分で、大豆の時にはない成分です。
大豆は煮た後に納豆菌によって発酵することで納豆になりますが、その時に出来るタンパク質分解酵素をナットウキナーゼといいます。
私たち日本人は昔から納豆を食べてきましたが、実はナットウキナーゼという名前が出来たのは1980年代と、つい最近のことなんですね。
このナットウキナーゼのおかげで納豆には血液サラサラ効果があり、血栓を溶かしやすくする働きがあります。
ドロドロの血液だと血管の内側に血栓が出来やすくなりますが、その血栓を出来にくくするナットウキナーゼの働きによって血液サラサラの状態を保ち、血圧が上がりにくくなります。
カリウム
体内の塩分濃度が高くなると、身体の浸透圧を保つために血液を薄めようとして血中に水分が取り込まれます。
すると血液量が増えるので、血圧が上がるというわけです。
カリウムは身体の余分な水分や塩分を排出する働きを持つミネラルで、塩辛いものが好きな人ほど摂って欲しいのですが、1日に必要なカリウムは2000mg。
納豆なら1パック食べることで300mgもカリウムを摂取することが出来ます。
プロテアーゼ
納豆には、ナットウキナーゼ以外にもプロテアーゼやアミラーゼ、リパーゼなどの消化酵素が含まれます。
中でもプロテアーゼは、アンジオテンシン変換酵素の働きを阻害することで知られています。
アンジオテンシン変換酵素とは血管を収縮させたり、水分の排出を抑えることで血液量を増やす働きのあるアンジオテンシンⅡを作り出す酵素で、プロテアーゼはこの酵素の働きを阻害することで、血圧を下げてくれるのです。
(参考:http://ci.nii.ac.jp/naid/130000052148)
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食物繊維
納豆には食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維は腸内環境を整えると同時に、ナトリウムを排出したり、血糖値の急上昇を防ぐ働きもあります。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、1:2の割合で摂ることが理想とされているのですが、納豆には、100gあたり水溶性2.3g、不溶性4.4gとまさに理想の形で食物繊維が含まれています。
1日に必要な食物繊維は20gと言われていますが、今の日本人の食生活では全く足りていないのが現状。
納豆なら1パックで3gも摂ることが出来るんです。
血圧を下げるための納豆の効果的な食べ方
納豆はご飯にかけて食べるのが一般的だと思いますが、血圧を下げるためには食べ方にもちょっと一工夫してみませんか。
ご飯の前に食べる
血糖値が上がることを防ぎたいので、納豆はご飯にかけないで、ご飯の前に食べましょう。
先に食物繊維を食べておくことで、血圧が上がりにくくなるのと同時に、血糖値が急上昇するのを抑えます。
ご飯にかけて食べるとついついご飯がすすんで食べ過ぎてしまう、というのを防ぐ意味もあります。
タレはかけないでそのまま食べる
タレをかけると美味しいのですが、その分、塩分が増えてしまいます。
塩分は高血圧に良くないため、タレをかけずに食べましょう。
タレがないと味気無くて食べられない人は、次のような食材と混ぜることもオススメです。
- ネギ
- 辛子
- 海苔
- キムチ
- にんにく
- 黒こしょう
- エキストラバージンオリーブオイル
タレがなくても豆そのものの味を楽しめるので、ご飯のおかずとしてではなく、納豆だけを食べることが出来るんです。
特にキムチはおすすめです。
キムチも発酵食品ですが、同量ずつ混ぜて一晩おくと、有用な菌が増えて血栓を溶かす効果がアップします。
納豆は夕食に食べる
納豆のような健康食はいつ食べても問題ないのですが、どうせ食べるなら夕食の時がおすすめです。
血圧は1日の間で一定ではなく、絶えず変動しています。
朝になると起きる準備のために段々高くなってくるのですが、この夜間から早朝にかけての血圧上昇が、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めると言われています。
ナットウキナーゼの効果は食べてから8時間以上続くとされているので、夕食の時に食べておけば、血圧が高くなる時間帯にその効果を発揮してくれます。
ひきわり納豆を食べる
同じ納豆でもひきわり納豆の方がカリウムの量が多いのです。
・ 納豆:660mg/100g
・ ひきわり納豆:700mg/100g
塩分が気になっている人は、普通の納豆よりもひきわり納豆がおすすめです。
ワルファリンを飲んでいる方は控えてください
血液凝固剤であるワルファリンという薬を飲んでいる方は、残念ながら納豆を控えてください。
納豆菌はビタミンKを含み、腸でもビタミンKを作り出しますので、ワルファリンの作用を弱めてしまうからです。
どうしても納豆が苦手な場合
「納豆が血圧を下げるのに有効なことは分かったけれど、どうしても納豆が好きになれない。だけど納豆の栄養は摂りたい」という場合は、サプリメントを利用するといいでしょう。
納豆特有の臭いはなく、ナットウキナーゼなどの栄養はしっかり摂ることが出来ます。
食事と関係なくとることが出来るので、続けやすいかもしれません。
まとめ
納豆はご飯にかけるのはもちろん、おそばやパスタ、味噌汁、炒飯など様々な料理に取り入れやすい食材です。
毎日続けるのもあまり苦にならないでしょう。
薬のお世話になる前に、納豆を毎日食べて血圧を上手にコントロールしていきませんか。
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