だれでも人からダメ出しをされたら面白くないものです。
それがたとえ上司からの適切な指導であっても、未熟な部下には単なる言いがかりと捉えられることも少なくありません。
ダメ出しは伝え方次第。
頭ごなしにダメ出しをして部下のやる気をそがないようにするには、どうすればよいのでしょうか。
スポンサーリンク
ダメ出しをする前に部下を見極める
まず大前提として、ダメ出しがいけないわけではないということをお伝えしておきましょう。
仕事は結果ありきですし、部下がどんなに頑張ったといっても結果が伴っていないもの、一定のレベルに達していない仕事には、たとえ嫌がられてもダメ出しをしなくてはいけません。
その状態を放置すれば上司であるあなたの評価にもつながるからです。
ただ、ダメ出しをする相手がどんなタイプなのかということをよく見極める必要があります。
やる気があるのかないのか
やる気もあり、上司の注意をありがたく聞ける向上心を持った部下であれば、ダメ出しされることを決してマイナスだとは捉えません。
しかしそうでない部下は、自分のやっていることが間違っているにも関わらず、それを認めないどころか、こんなに頑張っているのに上司が嫌がらせをしてくる、と言いかねません。
ダメ出しをしていい相手とそうでない相手がいます。
まずはそこを見極めましょう。
スポンサーリンク
相手のプライド、自尊心を傷つけないこと
どんなにダメな部下であってもプライドがあります。
ダメ出しなどされると「自分の仕事にケチを付けられた」とそこばかり気にしてしまう部下もいます。
大事なのは自分で考えて行動する部下になってもらうことです。
そのためには相手の自尊心を傷つけないダメ出しが必要です。
誰でもダメだしされることは嬉しくない
ダメ出しをする時に、
- 「こんなんじゃだめだ」
- 「なんだ、これは」
- 「何をやってるんだ」
など、頭ごなしにダメ出しをしていないでしょうか。
部下には部下の言い分があります。
それを全く聞かずに否定してダメ出しすると反感を買うだけです。
また、上手くいかなかった原因が、お互いの意思疎通がうまくいっていなかったから、という場合もあります。
ダメ出しする時は、相手を責めるのではなくて、なぜこうなったのかという理由を探すことです。
決して頭ごなし相手を否定してはいけません。
どうすればいいのかを考えさせる
部下の仕事のレベルが低く、指示した通りの成果物が上がって来ないこともあるでしょう。
全部ダメ、最初からやり直し!とダメ出ししたくなることもあると思います。
それでもやはり、相手のプライドを傷つけるような言い方をすると、大人だからこそ素直になれなくなってしまいます。
- この仕事はどういう意図で頼んだものか
- ゴール地点は?最終目的は?
- 部下に求めていることは何か
ということを再度伝え、その上で部下が何をすべきか、どうすれば良かったのかということを自分で考えさせます。
どうしても自分で考えられない場合は、もう一度丁寧に指示するしかありませんが、ここをこうして欲しいという改善案を具体的に伝えます。
あくまでもフォーカスするのは「仕事の成果」であって、部下個人にダメ出ししているのではないと分かってもらえるように話をしましょう。
ダメ出しは部下の方向修正
上司の中には、自分の権威をひけらかしたいがためにダメ出しをしてしまう人もいます。
自分もそうなっていないか、常に確認するようにしましょう。
ダメ出しは部下を成長させ、仕事の成果を上げるためにすることであって、決して上司が威張るためにすることではありません。
進んでいる方向が間違えている時に、そっちじゃないよと教えてあげるのが正しいダメ出しです。
上から物をいうのではなく、部下に寄り添っていることが大事です。
限界からも一歩努力する人が伸びる
上がってきた仕事がダメではないのだけど、欲をいえばもう少しここをこうすればいいものができる、というような場合もありますね。
そんな時こそダメ出しが必要です。
部下としては、「これで100点満点!よくできた!」と思っているようなものでも、じつはそれではまだ80~90点。
これ以上は出来ない、と思うところからさらに努力する人が、他人よりも一歩前に行ける人です。
ですから、この部下は伸びると思ったら、あえてダメ出しをするということが必要な時もあります。
このくらいでまあ及第点か、と思って何も指導しなかったら、そこそこの部下で終わってしまいます。
愛情を持って厳しいダメ出しをすることで仕事の結果も120%になりますし、部下もより大きく成長できるでしょう。
ただしこれは部下を見極めることがとても大切ですから、誰にでも厳しくすればいいというものではないので気をつけてください。
時には口うるさい人も必要
ダメ出しをするということは、時には憎まれ役になることもあります。
若い部下だと、上司の意図がわからないということもあり、自分ばかり厳しくされていると思うかもしれません。
腹を立てて、あなたのことを嫌ってしまうかもしれません。
でも、自分が若かった時にもそういうことはありませんでしたか?
細かいとこまでうるさいなとその時は思ったけれど、時間が経って上司の言っていたことの意味がわかったとか、あの時上司は自分に対する愛情から厳しくされていたんだということがわかった、ということが少なからずあるのではないでしょうか。
今は打たれ弱い人が多くなっていたり、ちょっと注意するとパワハラだと言われかねないので、上司もおとなしくなってしまっている気がします。
しかし会社には口うるさい人も必要です。
みんなでもう一つ上のステージを目指すためには、現状に満足することなく、今のレベルに妥協せず、常にダメ出しをする人というのが必要です。
否定のためではなく、仕事と部下に愛情を持ってダメ出しするなら、それはきっと相手に伝わります。
仕事のやる気を下げないダメ出しのコツ・まとめ
ダメ出しはするほうだって嫌なものです。
できれば、上がってきた仕事に対して、一発で「よし!」と言えれば上司としても嬉しいわけです。
しかし、経験の乏しい部下にはそれが分かりません。
ダメ出しをしても相手に反感を持たれないように、この人は意味のないダメ出しなんてしないと思われるように、日頃から部下との信頼関係を築いていくことも必要だと思います。
こちらの記事も合わせてどうぞ ↓
関連部下指導で大切な12のポイント!私の体験談を本音で紹介!